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8月4日に吉村大阪府知事がコロナ軽症患者に対しヨードうがい薬を使うことで、重症化を抑制できる可能性を発表しました。
そのため一部では薬局からヨードを含んだうがい薬が売り切れるという事態に陥りました。
吉村大阪府知事が根拠としたのは、大阪はびきの医療センターの発表で

同じうがいをしたコロナ軽症患者のポビドンヨード含有の有無によって唾液内に含まれるウイルス量に有意差が出たということです。
これだけ見ればうがいをヨードでするかそれ以外でするかでは雲泥の差があるように見えるし、どんどんうがいをしたくなるのではないでしょうか。
ヨードでのうがいのしすぎには要注意
ここで確認したいのは、うがいの回数です。
ヨード含有郡もコントトロール郡も共に起床時、昼食前、夕食前、就寝前でうがいの回数は一日4回であるということです。
ヨードでうがいすれば軽症化するのであれば、もっともっとうがいの回数を増やしたらいいのではないでしょうか。
ここには意外な落とし穴があります。
うがい薬というのは医薬品に分類されますので、添付文書というものが存在します。
例えば病院で処方されるうがい薬でイソジンガーグル液というものがありますが、その添付文書を見てみましょう。
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/770098_2260701F1271_2_04.pdf
それを確認すると
用時15−30倍(2−4mlを約60mlの水)に希釈し、1日数回含嗽する。
とあります。
ポビドンヨードには細菌やウイルスを減少させることがわかっていますが、細胞障害性があるためあまり多くの回数使用すると粘膜が障害されます。
そして粘膜や皮膚はバリア機能があり、細菌やウイルスはそのバリアの破綻した場所から侵入すると言われてます。
そのため、細胞障害作用と、薬理作用とのバランスを考えて、これだけの回数で効果を期待する薬として作られているわけです。
ヨードうがいで甲状腺ホルモン異常?
先ほどのイソジンガーグル液添付文書中に使用上の注意の(1)慎重投与に甲状腺機能に異常のある患者とあります。
これは甲状腺がヨードの調節をしているため、健康な人ならば多少体内のヨード量が増えても調節することができるが、甲状腺に異常がある人はその調整ができないため異常をきたすというものです。
具体的にはヨードが増える場合には
・疲れやすい
・汗が非常に多い
・脈拍が増える、動悸がする
・口が乾く
・眠れない
・甲状腺肥大
などの症状が出ます。
これはバセドー病などと同様の症状ですので、このような症状が急に出現する際にはヨードうがい薬の使用を中止して、すぐにお近くの病院へ行ってください。
手洗い、うがいは継続するべき
吉村大阪府知事のTwitterでの発言でも、「ポビドンヨードの効能としてコロナに効くとは薬事法上も言えません」という言っています。
まだ、真偽はわからないのです。
ただ、コロナウイルスは接触感染だろうということはわかってきているので、接触対策をすればいいのです。
手についたら手洗いする
喉についたらうがいする
これは間違いなくいかなる感染症に関しても基本です。
大阪はびきの医療センターの検討でうがいをしなかったという郡がないことが残念ですが、あれば、ポボドンヨードを含まないでうがいをした郡より悪い結果になっていることでしょう。
いずれにせよ、手洗い・うがいの重要性が広く周知されてよかったかなと思います。
それではみなさんお風邪にはお気をつけて。
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