お納めください。袖の下。患者さんにいいことはあるのか。

money

世の権力者に対し特別な便宜を計ってもらう為に、昔から札束攻撃というのはあるようですね。

直近のニュースでいえば河合前法相が有権者91人に対し2400万円配ったという事件がありました。

これは公職選挙法に抵触していますし、明らかに利益と引き換えのお金の流れなので断罪されるべきと思います。

さて、医療業界にも同様に患者さんが治療の前後や入院前後、はたまた外来にお越しになるたびに金品や物を渡そうとしてくることがあります。

これらの行動は見返りを求めない純粋な感謝やお願いの気持ちという可能性もありますが、多くの人には『自分のことを特別に扱って欲しい』という気持ちが少なからず入った気持ちの現れと思っています。

この問題に関してはいろいろな意見がありますが、ある一定の金額(1万円)を超えるような場合は収賄罪または脱税ということになりそうです。

また、その場合には患者側にも贈賄罪が成立することとなり、刑法198条により3年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。

すなわち渡した側ももらった側も表に出てしまうとあまりいい思いをしないということですね。

ただ、わざわざお金を渡した上で告発でもしない限り上記のことにはなりませんから、うやむやになっている現状があります。

となると患者さんにとって重要なことは金品を渡すことで特別扱いをしてもらえるか、ですね。

そもそも医師も人ですから相手から好意を向けられれば嫌な気はしません。

逆に反抗的であったり、攻撃的な患者さんは医師も親身になって治療をしてあげようという気持ちにはならないでしょう。

ただ、医師であれば遵守する法律があります。

それは医師法であり、最低限医師法に規定されいることは行う必要があります。

例えば医師法第十九条では『診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。』とあります。

これはよくモンスターペイシェントが口にする『医師の応召義務』という物ですが、これは医師の倫理感に任せられた物であり、特別罰則規定はありません。

これに関してもいずれ考察できればと思いますが、今回は割愛します。

話を戻して、医師が患者に対してどのように接するのか、そしてそこに金品はどれくらい関与するのか。

私は金品を受け取ったから丁寧に治療を行って、患者さんのことを一番に考えて、ということをする医師はいないと思います。

なぜなら対価を受け取って生じた気持ちだから、雑念が入っているわけですね。

金品を受け取ってしまうと患者さんに対して耳の痛いことを伝えにくくなるわけです。

医師は時には患者さんに対して厳しいことを言う必要があります。

それが行いにくくなるわけです。

それは患者さんにとってもいいことではありません。

では患者さんの立場ではどうしたら一番いい治療を受けられるのか。

礼節を持って医師に接してください。

タメ口だったり、イライラしながらだったり、以前に診察してもらった医師の悪口を言ったり、そういうことをしないようにしましょう。

会ったら挨拶、治療をしてもらったらお礼、そういうところです。

医師にだけではなく看護師さんや事務の方、コメディカルと言われる方々にも礼節を持ってください。

まともな医師であればあるほどそういった方々を大切にしていますので、その人たちからの評価は患者さんの評価に直結します。

この患者さんはいい人だなぁと思えば自然と親身になって、持てる力を全て注ごうと思うものです。

逆に言えばそう言った気持ちを持てないような医師にかかっているのであれば、かかりつけを変えることをお勧めします。

間違いなく金品の問題ではないのです。

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